売却を止めないために。土地・戸建ての境界と権利関係を事前に確認
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土地や戸建ての売却では、建物や価格だけを確認していれば準備が整うわけではありません。
実際には「土地の範囲が明確になっているか」「隣地との間に問題がないか」
「道路を利用するための権利が整理されているか」といった点も重要です。
こうした確認をせずに売却をスタートすると、買主が決まった後に追加の調査や隣地との話し合いが必要になり、
契約や引き渡しの予定に影響することがあります。
そこで、売却前に確認しておきたいポイントを順番に見ていきましょう。

🔷まずは「土地の範囲」を確認する
最初に確認したいのが、所有している土地の境界です。
古い住宅地や相続した土地では、境界標がなくなっていたり、
過去に境界を正式に確認していなかったりすることがあります。
登記簿や公図、過去の測量図などを確認し、現在の現地の状態と一致しているかをチェックしておきましょう。
境界が明確になっていない場合は、土地家屋調査士に依頼して「境界確定測量」を行います。
隣接する土地の所有者にも立ち会ってもらいながら境界を確認し、必要に応じて境界標を設置します。
最終的には、隣地所有者との間で「筆界確認書」を取り交わし、土地の範囲を明確にします。
面積についても、登記簿上の数字と実際に測った面積が異なる場合があります。
買主にとっては購入する土地の広さが不明確な状態は不安材料になりやすいため、売却前に整理しておくことが大切です。
🔷境界線の周辺を見て「はみ出し」がないか確認する
境界を確認するときは、単に線の位置を見るだけでは不十分です。
境界をまたいで設置されているものがないか、現地もしっかり確認する必要があります。
たとえば、ブロック塀やフェンス、建物の屋根、樹木の枝などが境界を越えているケースがあります。
長年その状態が続いていると、所有者自身も気づいていないことがありますが、
売却をきっかけに問題になることがあります。
すぐに撤去・是正することが難しい場合には、隣地所有者と話し合い、
「越境に関する覚書」を作成しておく方法があります。
どの部分が越境しているのか、将来建物を建て替える際にはどう対応するのか、
費用をどのように負担するのかなどを文書にしておくことで、将来の認識違いを防ぎやすくなります。
🔷前の道路が「私道」なら権利関係を確認する
もう一つ忘れてはいけないのが、敷地に接している道路です。
公道ではなく私道の場合、その道路を誰が所有しているのか、共有者がいるのかなどを確認する必要があります。
さらに、将来の建て替えや水道・ガスなどの工事で道路を掘削する可能性があるため、
道路の所有者や共有者から「通行掘削承諾書」を取得しておくことが重要です。
通行や掘削について必要な権利・承諾が整理されていないと、買主が購入後に工事を行う際の不安につながります。
住宅ローンを利用する場合には、金融機関の確認事項となり、
審査に時間がかかったり、融資に影響したりする可能性もあります。
私道の持分や負担については細かな確認事項もあるため、
売却を考え始めた時点で不動産会社などに相談しておくと安心です。
🔷「買主が決まってから」では遅れることも
境界や越境、私道に関する問題を後回しにすると、
売却活動そのものよりも、その後の手続きで時間を取られることがあります。
特に買主が住宅ローンを利用する場合は、
物件の権利関係や必要書類について金融機関から確認を求められることがあります。
書類が不足していると、審査や契約手続きが予定どおり進まない可能性があります。
また、契約後に越境などが発覚すると、引き渡し直前になって隣地所有者と交渉しなければならないケースもあります。
実際に、隣家の塀が境界を越えていることが直前に判明し、
覚書の作成などに時間を要して、決済を約1か月延期した例もあります。
さらに、契約時に説明されていなかった越境物などが後から判明した場合には、
契約不適合責任の問題につながる可能性もあります。
売却前に分かることは、できるだけ早い段階で整理しておくことが重要です。
🔷売却前に進めておきたい確認の流れ
実際に準備を進める場合は、次のような順番で確認するとスムーズです。
①登記簿、公図、過去の測量図などを確認する
②現地を確認し、境界標や越境している可能性のあるものをチェックする
③境界が不明確な場合は、土地家屋調査士へ相談して確定測量を行う
④越境が確認された場合は、隣地所有者と対応方法を話し合う
⑤必要に応じて越境に関する覚書を作成する
⑥前面道路が私道なら、通行・掘削に関する承諾を確認する
⑦必要な資料や書類を不動産会社と共有し、重要事項説明への反映内容を確認する
複数の問題がある場合は、まず土地そのものの境界を確定させることから始めるのがおすすめです。
境界が明確になった後で越境箇所や私道の権利関係を整理すれば、途中で確認をやり直す手間を減らしやすくなります。
🔷時間と費用には余裕を持っておく
境界確定測量は、土地の大きさや形状、隣接する土地の数などによって期間や費用が変わります。
隣地所有者との立ち会いが必要になるため、数か月程度かかる場合もあります。
特に、隣地の所有者が遠方に住んでいるケースや、相続によって所有者が複数人になっているケースでは、
日程調整や意思確認に時間がかかることがあります。
そのため、売却直前になってから測量を始めるのではなく、
「売ろうかな」と考え始めた段階で専門家に相談し、必要な期間と費用を把握しておくと安心です。
測量については、事前に土地家屋調査士から見積もりを取っておくと、売却にかかる費用も計画しやすくなります。
🔷まとめ
不動産の売却では、価格や売り出すタイミングだけでなく、
土地の境界や隣地との関係、前面道路の権利関係まで確認しておくことが大切です。
特に、境界の確定、越境物への対応、私道の通行・掘削に関する承諾は、
買主との契約や住宅ローン、引き渡しのスケジュールにも関係する重要なポイントです。
「昔からこの状態だから大丈夫」と思っていても、売却をきっかけに初めて問題が明らかになることもあります。
できるだけ早い段階で現状を確認し、必要な手続きを一つずつ進めておくことで、
売却直前の慌ただしい対応を避けやすくなります。
境界や越境、私道について「何を確認すればいいのか分からない」という場合も、
手元にある資料をお持ちいただければ、必要な確認や手続きについてご相談いただけます。

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